
人事院は、海外留学した若手官僚が帰国後すぐに退職する問題の対策として、退職者に自発的な費用返還を約束させる統一ルールを作り、各省庁に通知した。
具体的には、「留学中か帰国後5年以内に退職した場合、授業料分を返納する」ことを明記した確認書を留学前に提出させる。“一筆取る”ことで退職を思いとどまらせるのが狙いで、今年度の留学分から適用する。
統一ルールが適用されるのは、入省8年未満の若手官僚を2年間、海外の大学院などに留学させる「行政官長期在外研究員制度」。1966年に始まり、派遣者は今年で2000人を超える見込みだ。
しかし、90年前後から留学後に早期退職する官僚が増加し、留学費用の返還問題が取りざたされるようになった。「寄付」の形で返還するケースもあるが、対応は各省庁に任され、大半は返還されないため、人事院が対策を検討していた。
また、人事院が98〜2002年に同制度で留学し、後に退職した45人の専攻を調べたところ、経営学修士号(MBA)取得者が約半数を占めていた。外資系企業などに引き抜かれているケースが多いとみて、人事院では「特にMBA取得希望者には、留学前にしっかり意向を確認するよう各省庁に呼びかける」(幹部)ことにしている。